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歯科助手を辞めたい!円満退職をするための準備【正しい伝え方やタイミング】

歯科助手を辞めたい!円満退職

退職する理由はさまざまで、引っ越しや妊娠などのやむを得ない場合や、職場に対する不満などが原因の場合もあります。

歯科医院は、余程スタッフの多い大きい歯科医院でない限り、1人スタッフが退職するだけで人手不足になり、日々の業務に支障がでてしまうでしょう。

ここでは、歯科助手の方が円満に歯科医院を退職するために大切なポイントをご紹介します

歯科助手の退職でもめる3つの原因

まずは、円満退職ができず、退職時にもめてしまう原因を知っておきましょう。
退職時に特にもめるのが次の3点です。

  • 突然辞める
  • 退職理由が入職時に確認していたはずの条件面
  • 嘘の退職理由を伝える

これらの理由は歯科医院に限らず、どの職場でも言えることだと思いますが、特に歯科医院の場合、人手不足のところが多いので反感を買いやすいといえます。

突然退職する、「今週で辞めます」など、前もって相談なく辞めるのは最も、もめやすいといえるでしょう。
退職するスタッフが出るとなると、歯科医院も新たに人材を採用しなければなりませんから、その準備ができないわけです。

新しく採用できるまでの間、人手不足で診療していかないといけないので「自分勝手すぎる」と受け入れてもらえない、周りのスタッフからの信用もなくなるという悪循環になる可能性があります。

また、勤務体制が合わないなど、面接時にわかっていたことが退職理由だと納得してもらえない可能性があります。

円満に退職するために大切なこと

円満に退職するためには、退職を納得してもらうことが第一です。
そのために気を付けるべきことは次のとおりです。

  • 早めに相談・申告すること
  • 退職日・時期は医院の希望も考慮する
  • 納得してもらえる理由であること
  • 嘘の退職理由を言わない

早めに相談・申告する

実は、法律上では「退職の意思を伝えてから2週間」で辞められます。

ただし「雇用契約書」や「就業規則」などに退職時の規定として、「自己都合で退職する場合は90日以上前に申し出ること」などのように書かれている場合があります。

定めがある場合は、その規定に従う必要がある場合があります。

歯科医院は常に人手不足なところが多いため、退職できるのは新しいスタッフを採用できて教育ができてから、ということもあります

円満な関係のまま退職するためには、退職を考え始めたらなるべく早めに相談するようにしましょう。

退職日・時期は医院の希望も考慮する

人手不足の歯科医院の場合、退職を伝えてから求人を募集したりするので、実際退職できるまで時間がかかることがあります。

退職を伝えてから「半年は続けてほしい」「1年待って」と言われることも。

しかし、この条件を受け入れる場合は、いつ辞められるかわからないことを受け入れる必要があります。

「ちゃんと早めに相談したし、3ヶ月あれば辞められるかな」と自己判断して転職活動などを始めた場合、新しい職場が決まっていても、うまく退職できず採用してくれた歯科医院などに迷惑をかけることになります。

また「いつ退職できるかわからない」状態での転職活動は不利だといえます。

トラブルを防ぐため、自分の転職活動のためにも、辞める時期などはきちんと話し合って決めていきましょう。

納得してもらえる理由であること

納得してもらいやすい理由としてあげられるのは
「家庭の事情などやむを得ない理由」
「その歯科医院では実現できないスキルアップ」
などです。

反対に、退職理由として悪印象になるのは

  • お給料が低い
  • 残業が多い
  • 人間関係がうまくいかない

など、その歯科医院の悪口に感じられるネガティブな理由です。

しかし、家庭の事情はやむを得ないとは言え、引っ越しが近づいてから言うなどは、歯科医院側を困らせることになってしまうので、最低限でも早めに伝えることは大切です。

人間関係が原因の場合でも、できる限り前向きな理由を考えましょう。

嘘の退職理由を言わない

はじめの方でもお話しましたが、嘘の理由はトラブルのもとです。

「人間関係が原因で辞めたい、けどそれでは辞めさせてもらえないかも…」

と思ったとしても、バレたときに信用を失うようなことはやめましょう。

嘘がバレてしまった場合、『退職理由が嘘だったんだから、やめる必要はないはずだ』と辞めさせてもらえなくなったり、信用されないから人間関係もうまくいかないまま仕事を続けなければならなくなったりして、つらい思いをしてしまいます。

院長とスタッフの意識の違いが、もめやすさのひとつ?

歯科医院を退職するということは、そもそも、もめやすいものだということを頭に入れておきましょう。

退職を希望するときは、院長に相談したり退職の意志を伝えると思います。

この時、院長自身の考えを理解していないと、こちらの思いが伝わらなかったり、納得してもらえなかったりします。

院長は経営者のため、労働は法律で守られません。歯科医院がつぶれても失業保険は1円も支給されません。そのため、歯科医院の経営が院長にとってどれだけ大切なものか、スタッフとの意識の違いを理解しておくことは大切です。

退職を相談する・伝えるときは、働かせてもらったことの感謝を思い出して、自分が欠けることで周りにかける迷惑と配慮を考えることで、退職を理解してもらいやすくなるでしょう。

強引に引き留められる・退職させてくれない場合

例えば「新人が育つまでいてほしい」「お給料を上げるから続けてほしい」など、引き留めに合うこともあると思います。

もちろん納得できるなら、条件をのんでしばらく続けてもいいと思います。

しかし、どうしても退職したい場合は、きちんと意思を伝えましょう。

その時には「新人が入ってから退職までの2ヶ月は、精一杯、指導や引継ぎをしていきます」と誠意を伝えたり、「とても有難いお言葉ですが、他に勉強したいことがあり、どうしてもここでは叶えられないので」など、目の前の給与などの問題ではなく、将来的な目標を考えての転職・退職であることを伝えることで納得してもらえると思います。

どうしても退職させてくれない!我慢できない!辞めたい

退職の話を聞いてくれなかったり、退職届を受け取ってくれなかったり、辞めさせてくれない場合もあると思います。

「我慢できない!無断で辞める!」など乱暴な退職の仕方はよくありません。

狭い歯科業界ですから、よくない噂として他の歯科医院に伝わってしまったり、本人にマイナスになるという可能性もあります。

しかし、正当な理由なく、歯科医院側がスタッフの意思を拒むことは許されることではありません。

もし、どうしても歯科医院の同意を得られず、退職したいときの最終手段は「内容証明での退職届の送付」です。

この場合「退職願」ではなく「退職届」を提出するよう気をつけましょう。

ただ、可能な限り、話し合いでお互い納得して退職できるようにするのがいいでしょう。

有期雇用の期間中に退職した場合

ごく稀なケースですが、有期雇用で「何年何月何日まで」と歯科医院との雇用の契約が決まっている場合、雇用期間中に退職することで、歯科医院から損害賠償を請求されることがあります。

一般的には、損害額の算定が難しかったり、損害賠償請求の労力のほうが大きかったりするので、弁護士などからはおすすめされないようですが、ないとは言えません。

もめた場合は、労働基準監督署や社会保険労務士、弁護士などの労働問題のプロに相談したほうがいいでしょう。

まとめ

円満に退職するためには、事前に相談すること、歯科医院の状況や院長の気持ちも考えて、誠意を感じてもらえる伝え方をすることが大切です。

また、他にも勤務年数が長ければ「長年働いてくれてありがとう」と受け入れてもらいやすかったりすることもあるでしょう。

2、3ヶ月かけて指導してもらったのに辞める、というのが1番よく思われないので、辞めるタイミングも重要です。

退職を考えているときは、つらい気持ちだと思いますが、感情的に退職を伝えるのはよくないので、今後のためにも慎重に考えてみてくださいね。

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